代車特約とは?代車費用特約・レンタカー費用特約の日額と日数、等級を比較

代車特約は、事故や故障で自分の車が修理に入っているあいだ、代わりに借りたレンタカーの費用を自動車保険から支払う特約です。保険会社によって「代車費用特約」「レンタカー費用特約」「事故時レンタカー費用特約」など名前が違い、日額や日数の上限、付けられる条件も少しずつ異なります。共通しているのは、対象が「わ」「れ」ナンバーのレンタカーで、しかも保険会社が手配または承認した事業者から借りた車に限られることです。修理工場が無料で貸す代車は、この特約の対象になりません。この記事では、保険会社5社の公式資料をもとに、名称、日額、日数、等級の扱いを比べます。

代車特約(代車費用特約)とは

代車特約は、自動車保険に付ける特約の一つです。契約している車が事故や故障で使えなくなったとき、修理や買い替えのあいだに借りたレンタカーの費用を、1日あたりの保険金額(日額)×利用日数を上限に支払います。日額は契約時に選び、実際の費用が日額より少なければ実費が支払われます。

名前が会社ごとに違うため、検索すると「代車費用特約」「レンタカー費用特約」「代車特約」が混ざって出てきますが、中身はほぼ同じ種類の補償です。違いが出やすいのは、次の4点です。

  • 最初から自動で付いているか、オプションで付けるか
  • 選べる日額の幅(5,000円から1万円まで、2万円までなど)
  • 日数の上限(事故と故障で分かれていることが多い)
  • 故障の場合に、レッカーで運ばれたことを条件にしているか

自分の契約に付いているかどうかは、保険証券(または保険契約継続証)の特約欄で確認できます。名前に「代車」か「レンタカー」が入った特約があれば、この種類の補償です。

保険会社別の代車特約の比較

2026年10月6日時点で、各社の公式サイト、パンフレット、重要事項説明書で確認できた内容を表にまとめました。商品の改定で変わることがあるため、契約中の方は手元の証券と約款を優先してください。

保険会社(商品)特約の名称付き方日額日数の上限
東京海上日動(トータルアシスト自動車保険)車両搬送・応急対応・レンタカー費用等補償特約全契約に自動セット(車両保険がなくても付く)5,000円、7,000円、10,000円(7,000円と10,000円は日額に関する特約が必要)事故30日、故障15日
損保ジャパン(THE クルマの保険)代車費用特約(事故時30日型/15日型)オプションノンフリート契約は5,000円以上15,000円以内事故時30日型は30日(故障で走行不能のときは15日)、15日型は15日
三井住友海上(GK クルマの保険)レンタカー費用特約オプション(ロードサービス費用特約を付けた契約のみ)5,000円から20,000円まで1,000円単位事故30日、故障や走行障害15日(新車特約で買い替えた場合は90日)
ソニー損保事故時レンタカー費用特約オプション(車両保険を付けた契約のみ)5,000円、7,000円、10,000円30日(利用開始は事故日の翌日から6か月以内)
あいおいニッセイ同和損保(タフ・クルマの保険)ロードサービス費用特約のレンタカー費用(代車補償拡張特約が自動セット)自動セット(不要なら代車補償対象外特約)5,000円から20,000円まで1,000円単位30日(故障等の場合は15日)

日数の上限は、どの社も事故で30日、故障で15日が基本になっています。ソニー損保の日数は2024年1月版の重要事項説明書の補足事項で確認したもので、修理した車が戻った日や、代わりの車を取得した日のほうが早ければ、その日までになります。

日額の選ばれ方について、ソニー損保は特約を付けている人の80.1%が日額5,000円を選んでいる(2026年5月末時点)と説明しています。一方、大手レンタカー会社の軽自動車とコンパクトカーの24時間料金は、2026年10月6日時点の一般料金でおおむね7,600円から9,900円です。日額5,000円の場合、差額は自己負担になりえます。料金の比較は代車の料金相場で詳しく扱っています。

日数の目安として、損保ジャパンはパンフレットに、自社の支払実績による平均の貸出日数を「19日」と書き、15日型では足りない可能性があると案内しています。鈑金修理で部品の入荷を待つような修理では、15日を超えることは珍しくありません。

代車特約の対象になる代車(わナンバー・れナンバー)

代車特約が支払うのは、レンタカー事業者から借りた「わ」「れ」ナンバーの車の費用です。「わ」「れ」は、道路運送法第80条の許可を受けて有償で貸し出される自家用自動車に付く平仮名で、代車を有料で貸すときの許可と同じ制度に基づいています。

各社の公式資料には、次のように書かれています。

保険会社公式資料の記載(要旨・原文)
三井住友海上支払わない例として「修理工場等から代車(レンタカー以外)を借りた」。補償の対象は「レンタカー事業者から借りたレンタカー(『わ』ナンバー等)」
ソニー損保「レンタカーのナンバープレート(ひらがな部分)が『わ』『れ』であれば、この特約で補償します」。ただし同社が手配または承認したレンタカー事業者から借りた車に限る。対象外の例に「知人などから車を借りた」
東京海上日動「東京海上日動が指定するレンタカー会社、または事前に承認するレンタカー会社において借り入れるレンタカーに限ります」。事前に連絡せず自分で手配した場合は対象外
損保ジャパン支払うのは「修理などでご契約の自動車を使用できない期間のレンタカー費用」

工場の無料代車が対象外になる理由

代車特約は、被保険者が実際に負担したレンタカー費用を支払う仕組みです。修理工場が無料で貸す代車は費用が発生しないうえ、多くは白ナンバー(軽自動車は黄ナンバー)の自家用車で、レンタカー事業者の車でもありません。三井住友海上は「修理工場等から代車(レンタカー以外)を借りた」場合を支払わない例として明記しています。逆に、修理工場が許可を受けた事業者の営業所として「わ」ナンバーの車を貸していれば、保険会社の承認を得られる範囲で対象になりえます。

もう一つの条件が、保険会社の手配か承認です。三井住友海上、ソニー損保、東京海上日動は、保険会社が手配した、または承認したレンタカー事業者に限ると書いています。事故の連絡をする前に自分でレンタカーを予約してしまうと、対象外になることがあります。まず保険会社に連絡し、借りる事業者を伝えて了解を得てから借りるのが確実です。

代車特約と等級(ノーカウント事故)

代車特約だけを使った場合、翌年の等級は下がりません。等級に影響しない事故を「ノーカウント事故」といい、各社は次のように説明しています。

保険会社等級についての記載
三井住友海上「『レンタカー費用特約』のみを使用する場合は、翌年の等級が下がりません」
ソニー損保「事故時レンタカー費用特約のみを使っても、ノンフリート等級は下がりません」
損保ジャパンノーカウント事故の例に「代車費用特約(事故時30日型)/(15日型)事故」を記載
東京海上日動重要事項説明書のノーカウント事故の欄に、レンタカー費用等補償特約とレンタカー費用の補償日額に関する特約を記載
あいおいニッセイ同和損保公式の一次資料では確認できませんでした

注意したいのは、同じ事故で車両保険や対物賠償も使う場合です。等級はそちらの扱いで決まります。三井住友海上は「もし車両保険を使用する場合、1等級または3等級下がります」と書いています。代車特約がノーカウントでも、車の修理に車両保険を使えば、結果として等級は下がります。

車両保険を使わず修理費を自分で払い、代車費用だけを特約で受け取るという選び方もできます。どちらが得かは、修理費の額と、等級が下がった場合に翌年以降上がる保険料の差で決まります。保険会社か代理店に試算を頼むのが早道です。

代車特約が使える場面と使えない場面

事故か故障か、自走できるかどうかで、支払の条件が会社ごとに変わります。公式資料で確認できた範囲を整理しました。

場面扱い(各社の公式資料より)
事故で修理に出した(自走できる)東京海上日動は事故ならレッカー搬送の有無を問わず対象。損保ジャパンも事故なら走行不能でなくても対象。あいおいニッセイ同和は令和4年1月1日以降に始まる契約なら対象
故障でレッカー搬送された多くの会社で対象(上限は15日)。ソニー損保は2026年1月1日以降始期で故障補償特約(搬送時)を付けた契約が対象
故障したが自走して工場に入れた東京海上日動、三井住友海上は対象外(レッカーなどで運ばれたことが条件)
盗難東京海上日動は事故と同じ扱い。ソニー損保は警察への届出が必要
修理工場の無料代車を借りた対象外(費用が生じず、レンタカー事業者の車でもない)
知人の車を借りた対象外(ソニー損保が例示)
借りたレンタカーで事故を起こした際のNOCあいおいニッセイ同和は、ノンオペレーションチャージはお客さまの負担と明記

東京海上日動は、他車運転危険補償特約の対象になる「他の自動車」(借りた車や代車)を、ロードアシストとレンタカー費用アシストの対象外としています。代車そのものが故障しても、自分の契約の代車特約で別のレンタカー代を出すことはできません。

代車を運転中の事故でどの保険が使えるかは代車の保険はどうなる?、事故直後の動き方は代車で事故を起こした場合にまとめています。

もらい事故では相手への請求と代車特約のどちらを使うか

相手に過失がある事故なら、代車費用は相手方に損害として請求できる場合があります。日本損害保険協会の損害保険Q&A(問46)は、やむを得ず代わりの車を借りた費用は損害賠償を請求できると説明し、被害者自身の自動車保険(代車費用特約)で補償できる場合もあると書いています。

相手方への請求は、通勤や仕事で車が必要だったかなどの事情で認められる範囲が変わり、話し合いに時間がかかることがあります。自分の特約なら、条件を満たせば日額と日数の範囲で支払われ、特約だけなら等級も下がりません。使い分けの考え方はもらい事故の代車費用は相手に請求できる?で解説しています。

整備工場が代車を貸すときに決めておくこと

ここからは、代車を貸す側の整備工場、鈑金工場向けの内容です。お客様から「代車特約に入っているので、代車代は保険で出ますよね」と聞かれる場面は少なくありません。工場の無料代車では特約は使えないため、受付で次の点を整理しておくと、後の行き違いを防げます。

  1. 入庫の受付時に、お客様の保険に代車特約が付いているか、日額と日数の上限はいくらかを確認する
  2. 工場の代車が無料の自家用車なら、特約の対象にならないことを先に伝える
  3. 特約を使うなら、お客様から保険会社へ連絡してもらい、借りる事業者の承認を得てから貸し出す
  4. 修理の見込み日数が上限(事故30日、故障15日が多い)を超えそうなら、早めにお客様に伝える
  5. 代車で事故が起きたときの負担(免責額、NOC、駐車中の損傷)を、貸出前に書面で取り決める(代車の貸出同意書とチェックリスト)

わにゃふるカービジネスでは、加盟した工場がレンタカー事業者の営業所になり、本部の許可のもとで代車を「わ」ナンバー車として貸し出します。自社で許可を取る必要はありません。わナンバーの代車であれば、お客様の契約内容と保険会社の承認という条件を満たす範囲で、代車特約の対象になりえます。仕組みはわにゃふるカービジネスの概要、始めるまでの手順は導入の流れをご覧ください。わナンバーの保険の決まりは、姉妹サイトのわナンバーの保険で解説しています。

よくある質問

代車特約とは何ですか?
事故や故障で自分の車が修理に入っているあいだに借りたレンタカーの費用を、日額×日数を上限に支払う自動車保険の特約です。会社によって代車費用特約、レンタカー費用特約、事故時レンタカー費用特約などと呼びます。
代車特約を使うと等級は下がりますか?
代車特約だけを使う場合は、東京海上日動、損保ジャパン、三井住友海上、ソニー損保の公式資料で等級が下がらない(ノーカウント事故)と確認できました。同じ事故で車両保険や対物賠償を使えば、そちらの扱いで等級が下がります。
修理工場の代車にも代車特約は使えますか?
工場が無料で貸す代車は対象外です。支払の対象は「わ」「れ」ナンバーのレンタカーで、保険会社が手配または承認した事業者から借りた車に限られます。
代車特約は何日まで使えますか?
多くの会社で事故は30日、故障は15日が上限です。損保ジャパンには15日型もあり、三井住友海上は新車特約で買い替えた場合に90日までとしています。
日額はいくらにすればよいですか?
各社とも5,000円から選べます。大手レンタカーの軽やコンパクトの24時間料金はおおむね7,600円から9,900円(2026年10月6日時点の一般料金)なので、日額5,000円では差額が出ることがあります。

出典・参考資料

記載内容は2026年10月6日時点で確認したものです。保険の補償内容は契約や保険会社ごとに異なるため、実際の契約内容は各保険会社の約款・重要事項説明書でご確認ください。

無料の代車を、売上になる代車へ

わにゃふるカービジネスは、整備工場・鈑金工場が代車をわナンバーで有償貸出に切り替えるための仕組みです。レンタカー事業の許可は本部のものを使うため、自社で許可を取る必要はありません。収支の考え方と加盟条件をまとめた資料をお送りします。

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